温故知新

K平です。


本日4月1日。当社にも5年ぶりに2人の新入社員が加わり(事務担当)心新たに新年度のスタートです! 月並みですが、新人らしく「明るく・元気に」がんばってもらえればと思います。また、先日A弘より告知いたしました「KIZM(キズム)」も本日より活動を開始します!
木育活動を通じて、地域社会に少しでも貢献できればと考えています。新人2人とKIZMを温かい目で見守っていただければ幸いです。宜しくお願いいたします。


KIZM(キズム)ホームページ→→→http://kizm.jimdo.com/



さて、先週の土曜日に国営・ひたち海浜公園に行ってきました。「家族サービス」という名目でしたが、実は個人的に密かにお目当てのイベントがありまして・・・今回はその事について書こうと思います。

公園内に「みはらしの里」という懐かしい村の風景や活動をテーマにしたエリアがあり、そこでは常陸国(現茨城県)の江戸期から昭和期にかけての農村風景が再現されています。で、その一環として現在古民家の復元工事なされていて、その日は先着で数十名のみが特別にその現場を間近で見学することができたのです。(こういうイベントになると体の一部で材木屋の血が騒ぐ・・・)



写真手前の主屋は完成済、奥の隠居屋は復元中


〜資料より〜
この建物は、茨城県の南部、旧新利根村(現・稲敷市)に建っていたもので、解体された時には、本家と分家の独立した2軒の住宅でした。もともとは、主屋とその付属屋の隠居屋として建てられたと言われています。大変に古い時代の民家で、隠居屋からは「宝永3年(1706年)」の墨書が発見され1700年代初期の建立であることが判明し、主屋は部材の年輪年代調査によって1600年代半ばの建立であることが判明しました。主屋が建てられてから2世代程度あとに隠居屋が建てられたことになります。

今回の工事で創建当時の形に復元しています。この住居は「直屋(すごや)」といわれる形式で、長方形の平面になっています。主屋、隠居屋ともに間口が7間、奥行きが4間半で主屋は隠居屋よりも少し大きくなっています。主屋と隠居屋は横並びに配置されており、主屋は正面から左側が土間、隠居屋は右側が土間と左右対称のよく似た間取りとなっています。


[:W400]


「風情」とか「趣」という言葉がぴったりの何とも言えない佇まい・・・古民家には自然素材の温かさと年月を重ねた深い味わいがあります。雨ニモ負ケズ 風ニモ負ケズ 雪ニモ 夏ノ暑サニモ負ケヌ・・・長年人々を守り抜いてきた強靭な生命力に自然と頭が下がります。




(ちなみに、柱・土台・梁・桁にはすべて「椎(しい)」、板関係には「杉」が使われています)


この建物は日本が培ってきた「木の文化」「住の文化」の原点であり、我々日本人にとっては間違いなく財産です。この建物を前にして、改めて我々は木の文化を後世に語り継ぐ義務と責任があることを認識しました。



ただ、現場監督がつぶやいた一言が耳から離れません。「萱葺き師が減っている。全国に25人程度しかいない。このままでは萱葺きの技術を継承することができない・・・」置かれている状況は材木屋や大工と変わらない・・・。

この後も古民家2,3棟の復元が予定されています。みなさんも古き良き日本の文化を味わいに是非ひたち海浜公園へ!


■K平■