キムタクコーチが教えてくれた事。

A弘です。今朝は出社した際に、大変ショッキングなニュースが飛び込んできました。皆さん既に報道でご存知かとは思いますが、本日4/7午前3時22分に巨人の木村拓也・内野守備走塁コーチがクモ膜下出血で亡くなられたそうです。享年37歳と、まだまだ働き盛りで、これから若手選手の育成を期待されていただけに、非常に残念です。また、4/2の試合前にマツダスタジアムで倒れてからは、球団の垣根を越えた沢山のファンからの応援メッセージが巨人の球団事務所に寄せられたという事で、多くの方から愛された彼の人柄が偲ばれます。さて、本日はそんな彼が私達に残していってくれた事について書いてみたいと思います。
先月行われたプロ野球の新人研修の中で、キムタクコーチが講義を行ったのですが、その中で私が注目したのが以下の3点についてでした。

・「どうやったらここで生きていけるかを考える。」
キムタクコーチは1990年ドラフト外日本ハムに入団。その後広島→巨人と3球団を渡り歩いてきました。特に何かを期待されて入団した訳では無かった為、レギュラーの座を確約されるべくも無い環境で、どうやったら1試合、1打席でも多く出場出来るか彼なりに考えた事が、
(1)どのポジションでも守れる様に練習を続けた。
(2)スイッチヒッター(左右両打ち)を習得した。
その結果が、19年間にも亘る長期の間、プロ野球選手として活躍を続けた上に、「トップクラスのユーティリティープレイヤー」としての評価にも直結していったのです。弊社が置かれている木材業界もルーキー時代のキムタクコーチ同様非常に厳しい状況下に置かれています。グローバル化に伴い、世界の経済状態が目覚ましいスピードで変化していく中で、木材製品の輸入販売を続けていく事は今まで以上に難しくなってきております。そんな状況下で弊社は以下の事を心掛けております。対海外:協力工場との連携を図り、マーケティングのフィードバック及び情報収集を密に行う。対国内:エンドユーザーを常に意識した、より最終製品に近い、イメージし易い商品の開発及び提案を行う。

・「勝つ喜びは物凄くて、言葉では表せない。皆さんも、自分が活躍して優勝するんだという気持ちを持って欲しい。」
巨人に移籍してから、キムタクコーチは3連覇や日本一を経験し、勝つ喜びを知る事になりました。今まではどうやったら生き残っていけるか、自分の事ばかりを考えていた彼は、どうやったら自分の活躍でチームが優勝出来るかを考える様になります。彼は持ち前の守備力の高さと器用でかつ勝負強いバッティングを生かす事で、チームの優勝に貢献します。我々に置き換えても全く同じで、自分が活躍して会社の業況が良くなっていく事は、社会人として最大の生き甲斐の1つである事は論をまたないでしょう。日本経済の現状があまりにも厳しすぎる故、ともすれば忘れがちになってしまう事ですが、弊社でも付加価値の高い製品をいかに多く販売出来るかという、厳しくもやり甲斐のある仕事を行う事で、社員のモチベーションの高揚を図っております。

・「自分自身を知って、新たな可能性を探るのも必要ではないか。」
入団3年目のオフに、キムタクコーチはハワイのウインターリーグに参加し、4ヶ月間イチロー選手と同部屋で寝食を共にしました。イチロー選手は年下でしたが、彼の野球に対する姿勢や考え方を知って大変な衝撃を覚えたそうです。未知の自分を気付かせてくれるのは、全く知らない赤の他人なのかもしれません。色々な人との出会いや異業種交流を大事にし、新しい自分を発見する事で、仕事は勿論の事、人間としても成長出来る可能性を模索していきたいと思います。

ここからは、今回の出来事から学び取った、自分なりの考えです。
(1)「改めて健康に気を配る。」
キムタクコーチの命を奪った「クモ膜下出血」、遠因となるのが、たばこ/酒/ストレス/環境の変化(現役選手からコーチへの転身)の様です。日頃からストレス解消を上手く図っていくのは当然ですが、喫煙/飲酒等も程々にして、体に負担が掛からない様にしたいものですね。

(2)「人の一生がいつ終わるかは誰にも分からない。だから1日1日を後悔の無い様に、全力を尽くさなければならない。」
生きたくとも生きられない人の無念さを、今回の出来事で痛感しました。無理をする必要はありませんが、彼らの思いを忘れる事無く、毎日を意義の有るものにしていきたいですね。

参考資料:NPB新人研修 木村拓コーチ講義内容

最後になりますが、キムタクコーチ、本当にお疲れ様でした。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。本人の雄姿をもう見れないのは大変残念ですが、皆の記憶の中にはいつまでも色褪せる事無く残り続けると思います。

■A弘■

※おまけ:「トップクラスのユーティリティープレイヤー」の真骨頂!2009年9月4日に行われた対ヤクルト戦の模様です。延長12回表、既にキャッチャーを使い切ってしまい、キムタクコーチは10年振りにマスクをかぶったのですが、見事にピッチャー陣をリードし、0点に抑えたのです。現役時代の在りし日の姿を偲んで、ご覧頂ければと思います。