アガチス通信vol.20 「スラバヤ現地レポ2010 その4〜アガチス集成材が出来るまで〜」
Selamat Sian!
K平です。
今日は、当社加工メインアイテムであるアガチス集成材<別名F/JL(フィンガー・ジョイント・ラミネートボード)>がどの様にして出来上がるかを写真を交えて説明していこうと思います!ちなみにF/JLは「集成材」とか「フリーボード」の名前で流通しています。
まず始めにF/JL(集成材フリーボード)とはどういうものか簡単な説明から。
欠点があるために製品として使えなかった部材を、細かくすることで欠点を取り除き、その細かい部材(通称ラミナ)を接着剤で繋ぎ合わせて、ある一定の大きさのBOARD(板)状にしたもの。無垢の板では取れない幅の広い板を作れたり、無垢材に比べて狂いが少ない、価格が安いなどの利点があります。今、私たちの身の回りにある「木」と称されるものの大部分はこのF/JLに変わってきています。
さて、では早速F/JLがどのようにできるのか、当社の協力工場でありますAneka Rimba Indonusaのラインを用いて説明していこうと思います。
(1)ラミナの木取り
シングルリップ機を使って部材を一定の厚みと幅に揃えます
(2)ラミナの検品
主に柾目、板目及び欠点のチェックをします
(3)ジョイント部分の切削
フィンガージョイント機にてジョイント部分に切り込みをいれます
写真左上・左手の丸ノコで切削面を揃え、右手のノコで一気に切削口の出来上がり!
(4)接着剤塗布
手作業でラミナのジョイント部分に接着剤を塗布します
(5)1層棒状にプレス
プレス機にてラミナを長さ方向に繋ぎます
(7)1層棒に接着剤塗布
1層棒を横(幅方向)に繋ぐために接着剤を塗布します
(8)BOARD状に完成
プレス機にて幅方向に繋ぎます(レギュラーサイズは約50センチ強)
(10)正確な長さ出し
クロスカット機を使い正確な長さに揃えます(レギュラーサイズは4メーター20センチ)
(11)正確な厚み出し
サンディング機で表面を削り正確な厚みに仕上げれば完成です!
(13)シュリンク梱包
1枚1枚丁寧にビニールに包みます
ご覧頂いたように、F/JLが出来るまでにはものすごく手間がかかっているのです。。。
その割に値段の安いところがもどかしい。。。
一昔前、F/JLは歩留まり(丸太もしくは原板から製品になる割合)を上げるために売り手側の都合で作られたものでした。ところが、時代が変わり無垢の板で幅の広い材料が少なくなるにつれて、F/JLの価値は高まりました。しかも無垢に比べて狂いが少ないわけですからなおさらです。つまり、買い手側の事情でF/JLが必要になってきているのです。この点を考慮すれば「F/JLの価値はもっと高くても・・・」というのが本音です。
さて、この様にして出来たF/JLは多種多様な使われ方をします。グレードの良いものは住宅用の部材や家具・建具などの表面に直接使われますし、グレードの低いものは、芯材といってF/JLの表面に突き板やラッピングシート(ビニールテープ)を貼って使われます。
一言に「木」と言っても、無垢の木だったり接着剤などを使って作られている木など形状は様々ですが、肝心なのは「適材適所」の使い方をすることです。皆さんの回りでも木がどんな使われ方をしているか気にしてみるのも面白いですよ!!!
PS 参考までに当社スラバヤ事務所で使われているアガチスF/JLを使った机です。自分で言うの もなんですが、この色・質感たまらない。。。I LOVE AGATHIS!
■K平■