スラバヤ製材工場プロジェクト

昨今の急激な円高リスクを背景に、日本メーカーの海外進出の動きが急速に広がっています。古い体質が色濃く残り、時には「3K」などと称され少々時代遅れにも映るこの木材業界ですが、すでに30年以上前から海外での生産に携わっている私たちのような輸入業者もいるわけで、そういう面では「時代の一歩先を行く最先端の業界」であったりもするのです。


さて、そんな私たちを取り囲む環境は年々厳しさを増しており、特に成長著しい発展途上国との激しい資源獲得戦争は熾烈を極めており、安くてしかも品質に口うるさい私たち(日本マーケット)は恥ずかしながら完全に買い負けてしまっている状況です。加えて、ここ数年は異常気象の影響もあり資源(原木)の流通量自体が少なく、その熾烈さに拍車がかかっているというのが実情です・・・このような背景もあり、私たち自身も非常に強い危機感を感じており、この厳しい時代を生き抜いていくための新しいビジネス展開の構築は急務だったわけです。先ほど、木材業界の「時代の一歩先を行く」一面について触れましたがそれでもまだまだ遅れていると感じることは、「日本向け」という発想が頭から抜けていないからです。中国やインドといった国とともに右肩上がりの成長を遂げているインドネシア。そんなインドネシアにおいて完全に外様の私たちがインドネシア国内、或いは成長著しい第三国に向けたビジネスを展開するためには、「資源」と「生産拠点」の2つが絶対条件でした。10年以上の協力関係にある弊社協力工場と悩みに悩みぬいて出した答えが、この「製材工場プロジェクト」だったわけです。



2011年の夏から本格的な立て方作業が始まった製材工場ですが、いよいよ今月中旬には完成し、本格的な製材が始まります。また、製材工場の延長上には併設加工工場・KD釜も現在建設中で、今年中には製材から加工までの一気通貫の生産が可能になる見通しです。当面は手当てが厳しいながらもアガチスを中心に生産することになると思いますが、将来的にはアガチス以外の樹種の展開も含めて非常に可能性のあるプロジェクトになると思います。長期的には間違いなく滝口木材の柱になるであろうこのプロジェクト、今から本当に楽しみです!





*12日よりアガチス・ポソ材の検品、カリマンタン材の製材立会いのためスラバヤに出張します。3月中旬ごろからは入荷が見込めますので、アガチスファンの皆様、もう少々お待ちください。。。



■K平■