生産コストアップ・・・

K平です。

まずは、この記事をご覧ください。

(2012年3月21日、産経新聞の記事を抜粋)



字が小さくて見えにくいかもしれませんが、要するに「昨今の原油高を理由として、石油燃料代が値上げされることに対する抗議デモがインドネシア各地で起こっている」という内容の記事です。気が付けば日本でもレギュラーガソリンは160円目前の水準まで上昇、原油高が一般市民や企業に与える影響は計り知れません。一昔前までは同じアジアの中でも産油国として名を馳せたインドネシアですが、原油枯渇の影響もあり2004年からは完全に石油輸入国へ、そして2008年にはOPEC(石油輸出機構)も脱退という茨の道を歩んでいます。


さて、現在インドネシアでのレギュラーガソリン価格は値上げ前でRp4,500/ℓ(約41円)程度と国際価格に比べてかなり安い設定がなされています。というのも、インドネシアの燃料価格は、政府が補助金を補填するという形態が採られているからです。しかし、今回の原油価格高騰により政府の財政負担があまりにも大きくなるという理由から、当初は今月4月1日から「33%の値上げ」の方針で固まっていました。ところが、これに反対するデモが各地で起こり、結果的に値上げは3か月間延期され7月1日からということで一先ず落ち着いたようです。


今回の原油価格高騰は単に燃料代アップにとどまらず、公共交通機関の運賃や飲食関係にも波及することが見込まれていますが、今現在、インドネシア政府に向けられているその怒りの矛先は、値上げが実施される7月1日以降は確実に勤務先等(企業)に向けられるでしょう。そうなれば自ずと次は賃上げ交渉に発展し、いずれかの段階で加工賃等我々が負担すべき生産コストも上がっていくのは明らかです。加えて、慢性的な電力不足に悩まされているインドネシアでは電気代をはじめインフラ関係のコストも上がってきており、私たちを取り巻く生産環境はさらに厳しさを増しています。



一方、日本のマーケットに目を転じてみると、長引くデフレの影響もあり、いたる所で行き過ぎた安売り合戦が繰り広げられているように感じます。原油をはじめ「資源」と名のつくもの全てが減少傾向の中で、資源そのものの値段が上がり、それに付随するコストも上がっています。現地と国内の温度差をいかにして埋めていけるか、私たち輸入業者の戦いはまだまだ続きそうです・・・


■K平■