世代交代

親から子へ、子から孫へと受け継いでいくべきもの。
それは、「伝統」であり「誇り」であり「知恵」である。
先人たちが長年の経験から培ってきた知識・見識は、私達にとって財産であり宝なのだ。
そんな貴重な財産を、今私達はミスミス失おうとしている。


K平です。
今回は世代交代について、若い世代側からの視点で書いてみようと思う。先日、ベテランのお客さんと話をしている中で、さりげなく言ったお客さんの「これから木の需要は増えると思うけど、いかんせん木を知っている若い材木屋がいないんだよなあ。」という一言に妙にドキっとしてしまった自分。6年もこの業界にいるのに・・・。

木材業界で、世代交代がスムーズに行われている会社は非常に少ない。ただ単に、経営者としての世代交代は進んでいたとしても、技術的・専門的分野でのそれがうまくいってるかといえばおそらく答えは「ノー」だ。なぜうまくいってないのか、私なりに考えてみた。

1、教える側の問題:そもそも世代間の継承が機能していなかった。自分の存在意義・居場所の確保を優先させるがゆえに、苦労して得た知識を教えるのを拒んできた。話が下手。若手の目線になれない。
2、教わる側の問題:情熱が薄い。地味な仕事でやらされ感が強い。全てにおいて受身。尊敬の念が薄い。
3、会社の問題:風通しが悪い。情報の共有化がなされていない。
4、慢性的な人材不足:業界に対する悪いイメージが先行しているせいか、やる気のある有能な人材が少ない。

ここまで読んで、「そうだよなあ」「うちも一緒だ」なんて軽く考えてはいけない。実はこれ、とてつもない損失なのだ。しかも個人や会社レベルではなくて、国家レベルの!(大袈裟ではありません) だからこそ、業界全体として今一度この問題と真剣に向き合わなければいけないのだ(当社もこの問題に直面しています)。これから国をあげてどんどん木材をアピールして、どんどん木材を使っていこうとしているのに、木を知っている材木屋がいないなんて悲しいし、恥ずかしすぎる・・・。

後継者を育てるのには時間がかかるし、お金もかかる。面倒だし体力もいる。まして、木材という専門的で感覚的な要素が非常に強い分野を理解し、自分のものにするのはそう簡単なことではない。だからといって私達の世代で木の文化を終わらせるわけにはいかないし、私達には次の世代への架け橋として木の文化を引き継ぐという、重大な使命があるのだ。


では、どうしたらこの良き文化を引き継いでいけるのか? 

個人的には、我々若い世代の意識を変えるのが一番手っ取り早いと思う。具体的にいうと、若い世代がもっと危機感を持ち自立すること。きっと私たちには、先輩方がいるという安心感から、心のどこかで甘えてしまっている部分がある。しかし、近い将来その先輩方はいなくなる。力を借りたくても借りられない時が必ず来る。そうなった時に、きちんと対応できる実力を身に付けられるかどうかは、間違いなくこれからの2、3年の過ごし方で決まる。

もっともっと木に触れ、分からないことは聞き勉強する。単純だがこの作業を繰り返すしか策はないと思う。ただし、情熱と感謝の気持ちだけは忘れずに…そうすれば、きっとその先に「木のプロフェッショナル」として生き残る道は必ずある! 私達には時間がない。やるしかないんだ! なりふり構わず!



PS
それにしても今年のジャイアンツは強かった…。「世代交代がうまくいっているチームは強い!」の典型だな。がんばれ、ベイスターズ
■K■