森林大国・日本!


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日本には緑がたくさんあります。森林面積で言うと約2500万haにもなり、日本は国土全体の約68%が森林によって成り立っています。ただし、他の国と比較する時,この数字は単純にその国の面積に大きく左右されるので森林面積をもって「日本が森林大国だ。」と言うことはできません。



他国との比較をする際、一般的には森林率をものさしにします。森林率はその国の国土面積に対する森林面積の割合で求められるので、その国が大きかろうが小さかろうが森林面積の割合が多ければ森林率は高くなるし少なければ低くなるので、同じ指標で比較が可能なわけです。



そこで、日本の森林率はというと森林面積(2512万ha)/国土面積(3683万ha)=68.2%です。この数字を見てもあまりピンとこないと思いますが・・・
実は、日本は先進国の中でフィンランド(73.9%)に次ぐ2番目の森林大国なのです!



つまり森林を資源として考えた場合、日本には再生可能でしかも地球環境にも優しい資源が豊富にあるのです!コレを利用しない手はありません!!!
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今から65年前(1945年)の終戦から高度経済成長期(1955年〜1973年)にかけて日本では杉や桧などの大規模な拡大造林が行われました。しかし増大する木材需要に供給が追いつかず、1961(S36)年に海外からの木材輸入が自由化され今日に至ります。



日本では1年間に7797万㎥(H20年度)もの木材需要があります。しかしながら、そのうち国産材による供給量は約24%の1873万㎥にとどまり、残りの約76%は海外からの輸入に頼っている現状です。戦後の復興期には90%以上あった木材自給率は24%まで激減してしまいました。低いと言われている食料の自給率でさえ40%ですから、木材においては何をかいわんやです・・・



本の森林は毎年8000万㎥づつ生長しているというデータがあります。つまり、机上の計算だけで言うと現在の日本における木材需要に対して100%国産材でまかなう事が可能ということになります。しかも現状の森林面積を維持したままです。



ただ、現実的にそれだけの量を供給するには多くの課題がありますが鳩山政権が掲げる「2020年までに木材自給率50%」という数字は、決して実現不可能な数字ではないと思います。林業、製材、住宅、製紙など木材に関係する業者は多いわけですから縦の繋がりはもちろんのこと、これからはもっと横の連携を強化していかに安定供給体制を作るのかを議論する必要があります。




さて、安価な輸入材にシェアを奪われたために、戦後造林された人工林が伐採期を迎えているにもかかわらず間伐などの手入れがなされないまま放置されています。外材との価格競争に巻き込まれた国産材は売っても採算が合わないため、伐るのも手入れをするのもおぼつかない状況です。それと並行して、輸入自由化後50年で林業従事者もピーク時の1/6まで減少しています。




将来の日本の山林を語る時、山の現状とマーケットの現状を無視するわけにはいきません。可能性があるからこそ、真剣に向き合わなければいけない問題です。皆さんも他人事と捉えることなく、一緒に「森林大国・日本」の将来を考えていきましょう!


以上K平でした。