アガチス通信 vol.1 「アガチスは名脇役?」

滝口木材が取扱う木材のうちでもっとも取引量が多いのが、東南アジア原産のアガチスという木です。木について詳しくない人にはほとんどその名前さえ知られていない木だと思いますが、用途がけっこう多彩なので皆さんの身の回りにも、もしかしたら使われているかもしれません。今回から「アガチス通信」と題して、アガチスの魅力をお伝えしていきたいと思います。


アガチス通信 vol.1
アガチスは名脇役


−アガチス、ズドン!! と登場
アガチスはナンヨウスギ科に属する針葉樹。こちらがその丸太なんですが、デカっ!! ズドン!!って感じの迫力です。加工された状態のアガチスの板しか見たことがありませんでしたが、こんなに堂々とした木だとは・・・。直径はおよそ80cmほど。ここからさまざまな用途別に木材が切り出され、日本へ輸出されるわけですね〜。

切り出した木材を見てみると、意外にさっぱり。列記とした針葉樹の木ですが、木目があまりはっきりしていないので広葉樹だと思われることもあるそうです。針葉樹というと木目がくっきりして個性があるイメージがありますが、アガチスの板はパンチが控えめですね。現地スタッフのほうがパンチ効いてます。



毎日がうだるような暑さの中で製材を行っている現地スタッフ



手作業で一枚一枚の板にするのは根気の要る作業だ



−アガチスは名脇役
なので、「一見個性のない木」のように思われがちなのですが、通常木の欠点とされるフシ*1も少ないので、見た目にもさわやか。逆に、こうした木目のまっさら感が必要になる場合も多く、扉、壁の羽目板、窓枠など、いろいろなところに使われているんです。

国産のスギやヒノキの木目って、ほんとうに美しく、いつも視界に入るところに使ってみたいなって思ってしまうのですが、個性の強い木だけを使っても、それぞれの存在感が強いだけに、有名俳優ばかりが出る映画みたいに、豪華なんだけれど何となくおなかいっぱいになってしまうんです。

脇役、あるいは膨大なエキストラが映画に必要なように、家に使う木材にも、引き立て役とも言うべき存在が必要なのですね。「エキストラ」だとなんか誰でもいい感じがするのであれですが、う〜ん、誰だろう、西島秀俊さんのような、謙虚で透明感があり、それでいてやさしく存在感を残す木。アガチスは、あなたの部屋の名脇役と呼ぶにふさわしい存在感がある。そう僕は思います。

インドネシアの濃ゆいスタッフの写真も掲載しちゃったからさわやかさとか感じられないですけど、アガチスは、とにかく西島さんなのです!!)
■K松■

◆◆◆アガチス入荷情報◆◆◆
今日11月24日現在、引続き現地で乾燥と製材を行っています。12月初旬には現地で積込みを終え、年明け、1月の中旬頃には日本へ到着する予定です。年明けにはなんとか相当量確保できる見通しですので、今しばらくお待ちください。申し訳ございません。
また、来月早々には、弊社アガチス担当Kが検品のためにインドネシア・スラバヤに向かいます。現地より、最新のアガチス入荷情報、現地の状況などをアップする予定です。ぜひご参考ください。また、入荷状況などアガチスについてご質問は、takiguchilumber@gmail.comまでお知らせください。

※参考
財団法人日本木材総合情報センターのページに掲載されているアガチスの情報
http://www.jawic.or.jp/kurashi/wtree/s1-agatisu.php

*1:幹から出た枝の痕が木の中に取り込まれたもの。まわりの組織と一体化しているものを「生節(いきぶし)」、まわりの組織から離れてしまったものを「死節(しにぶし)」という。美観上嫌われるうえに、フシが多い木材は若干強度が劣るため、商品価値を下に見られてしまうことが多い。最近では、「フシこそが木の個性だ」という見方もあり、一概に欠点とは言えなくなっている面もある。