「本物の価値」の継承

Aです。
先日森永卓郎氏の講演会を聞くために東京を訪れた際、東京駅の改修工事を見てきました。今日は、それに関する事についてお話したいと思います。

東京駅の改修工事は平成19年に着工され、平成24年の竣工を目指して着々と進められているようです。そんな中で、このプロジェクト、東京駅丸の内駅舎の保存/復原工事の目標及び最重要テーマというものに非常に共感を覚えました。

それは、(1)本物の生きた文化財にふさわしいオーセンティシティ(信憑性)を高めること。 (2)生きた文化財として大切に保存し、未来へと活用できる、「本物の価値」を継承・保存した丸の内駅舎にすること。ということです。私は特に(2)の部分に大いに共感を持ちました。



経済不況の続くこのご時世、人々の心は荒み切り、目先の生活・収益に追われ過ぎてしまい、大切な物は何かということを忘れてしまっているのではないかと感じている最中で、このフレーズは一時の清涼となりました。我が木材業界においても、「本物の価値」を継承・保存する為に、我々は精一杯努力していかなければいけません。

私が思うに、木材における「本物の価値」とは、(1)時代が変化する中で、それに適格に対応したものづくり。 (2)塩ビにラッピングされた建材ではなく、あたたかみのある無垢の木材を良い面悪い面余す所無く丁寧に説明し、なおかつ積極的に使用して頂くこと。ではないかと考えております。

以前Kが書いた記事「世代交代」でも触れておりますが、人的な継承の他に、こういったコンセプトも継承されるべく、日々研鑽を重ねていかなくてはならないな、と改修中の東京駅を見ながらふとそんなことを考えておりました。ともかく、早く新しい東京駅にお目にかかりたいものですね!
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