これから進むべき道はどちら?

A弘です。
先日はちょっと悲観的な事を書いてしまったので、今日は勇気付けられるような記事を。

先日、日経BPネット内の時評コラムで、田原総一朗氏の政財界「ここだけの話」を読んでいたところ、1/15付けの記事の題目が"悲観するな、「坂の上の雲」の中で迷う日本"というものでした。彼のコラムは大抵、国内外における時の政権の動向や発言等について舌鋒鋭く切り込み、批判をする、というのが主なパターンなのですが、今回は珍しく自分の主張がほぼ9割方で、主張のポイントは次の通りです。

(1)雲の中で視界不良に陥り、乱気流に巻き込まれている。
(2)アジアへ進出し、さらに上を目指す日本の企業。
(3)日本の未来は明るいと考える三つの要素。
(4)新しい価値観、新しい幸せを見つけなければいけない。
(5)日本は今、面白い時代に入っている。
(6)決して悲観することはない。


(1)については、雲を突き破って上を目指すのか、それとも敢えて雲の中に留まり足元を見つめ直すのか、いずれかの選択を今の日本は問われているということです。私としては、一気に雲を突き破るのは無理かもしれませんが、内外需とも新たな道(内需:環境関連事業を軸に→特に木材関係に少しでもスポットライトが当たれば・・・/外需:新興国を中心とした新たな市場の開拓)を模索し、再び雲の上の青空を見たいものですね。

(2)については、生き残りを図るため、アジアを中心とした新興国をターゲットにした企業を取り上げており、スズキとキリン&サントリーホールディングスが例に挙がっております。一方で、国内においては海外から積極的に人材を呼び込むべきとしておりますが、現状では日本国内での収入格差が他国と比べ少ない事、また、生活基盤が決定的に外国人に馴染まない事(スーパーマーケット等の買い物施設では日本語しか通じない)もあり、これから優秀な人材を海外から受け入れるためには、外国人が暮らし易い環境整備をする事が必要としております。

しかし、外国人向けの環境整備には、まだ相当の時間が掛かるのではないか、と思います。理由としては2つあり、A.現状の日本は相当な閉塞感に覆われており、内向き思考が非常に強い。外国人を受け入れしようというマインドは当分芽生えないのではないか。→外国人参政権問題は、これを逆手に取ったものか???(ちょっと穿った見方ですかね・・・。)

B.日本の民族構成はアイヌ等を除き殆ど日本(大和)民族であり、他民族国家としての経験がほぼ無い事、また、江戸時代の鎖国等の影響もあって、外国人を身近に感じる土壌が無い事。以上のような理由から、外国人向けの生活基盤構成は時間がかかるのではないかと考えます。



(3)/(4)については、内容が跨るところも有りますので、まとめてお話したいと思います。(3)の三つの要素としては、1.今年20歳を迎えた新成人達 2.マーケットの変化 3.日本が誇る高度なインフラ技術を挙げたいと思います。

1.については、彼らが新たなる幸せや価値観を考え、追求していくのがこれからの日本の大きな課題であり、それを背負っていくのが彼らの役目だとしています。また、政治や国家観といったものについても政治家が若者と一緒に考えていく必要があるとも述べています。これに関しては、まさに同感です。グローバル化が物凄い勢いで進んでいく中で、旧態依然な硬直化した考え方のままでは、どんどん世界から取り残されてしまいますから(すでに取り残されつつある?)、委縮する事なく、自分を出していって欲しいと思います。

2/3.については、その中心が欧米からアジアにシフトしつつあり、時差や距離の面を含めて日本に有利であるとしています。欧米諸国の景気回復が遅れているのを尻目に、近隣の新興国の経済成長は目覚ましいものがあります。アジア諸国に我が国が誇る優れたインフラ技術や環境技術を輸出していけば、日本はその分野で大きなマーケットシェアを掴み、存在感を発揮出来るだろう、としています。これについても全く同感であり、官民一体となって新興国への売り込みを一刻も早く図るべきだと思います。


(5)/(6)については、現状のマスメディアの体たらくを痛烈に批判しております。表層的な発表情報ばかりで、記事の一つ一つを掘り下げようとしていないとしています。確かに今の大マスコミの報道は、大本営発表ばかりで、ちっとも面白くありません。例えば、民主党小沢幹事長の問題にしても、何が真実なのか全く持って窺い知る事が出来ません。我々としましては、事態の推移を黙って見守るしかないのでしょうが、仮にもジャーナリストの端くれであるならば、視聴率や購読部数至上主義でなく、侠気を持って取材に臨んで頂きたいと思っております。

最後に田原氏は、こう締め括っております。「悲観論に走る前に、もっと目を開かなくてはならない。私達は今、そういう世界にいる。」と。確かに厳しい経済状態が続いておりますが、明けない夜はありません。いつか来るであろう夜明けをじっと待ちつつ、次なるステージへの準備を図っていきたいと思います。
■A弘■