復活!グリコの木製おもちゃ

A弘です。

昨日6/28(月)付のJ-CASTニュースで、グリコのおもちゃが今年3月からリニューアルされ、従来のプラスチック製を止めて、木製を使用するとの記事がありましたので、今日はこの事について触れてみたいと思います。 

生まれ変わったグリコ「おもちゃ」プラスチック製から木を使用

おもちゃを木製に変更するにあたり、その理由となった江崎グリコのおもちゃの開発担当者の意見を抜粋すると

(1)「最近のおもちゃは、ゲームをはじめバーチャルなものが多い。そこでぬくもりや独特の手触りを肌で感じられる木を選んだ。」

(2)ドイツを訪れた際、子ども達が木製のおもちゃを長く大事に使い、時には子ども同士がおもちゃを交換してまた使う習慣を知った。日本の子ども達にも、おもちゃを使い捨てずに大事に遊んでほしい。


うーん、日本に冠たる食品メーカーの江崎グリコが、率先して木材を自社商品に使用する事で、木材の普及啓発を図ろうとは、なんて素晴らしい事なんでしょう!(しかも万が一飲み込んでしまった時に、気道を確保する為に空気穴まで開けているとは、物凄い配慮ですね!!)

それに引き換え、我が木材業界は、常に自分本位で我儘な人達がなんと多い事か!!!(勿論中には社会貢献/共生を積極的にしていらっしゃる素晴らしい方々もいらっしゃいますが、それはほんの一部の人達です。)


個人的には、中国でのおもちゃの製造については

(1)塗料の安全性を担保出来るか?

(2)ささくれを取ったり角を削ったりする細かい「手作業」の精度を保てるか?

上記2点について若干の不安はありますが、木材のおもちゃで楽しく遊んでもらい、色々な思い出を作っていく事で木の良さを消費者にアピールする事は、非常に良い事だと思います。

木材業界としても、こういった異業種の企業とタイアップする事で、

(1)木材の社会への広い普及に貢献していく

(2)新たなビジネスの模索を図る

といった、従来とは違った展開を図れるのではないかと思います。そしてそれは、ビジネスをしながら「木育」を行うといった理想の形に繋がっていくのです。最近でこそ「長期優良住宅」だったり、合板や構造材、羽柄材といったものに国産材を使用する動きが強まったりと、少しづつではありますが、木材がクローズアップされて来ている様ですが、個人的にはまだまだ小さなムーブメントに過ぎないと思います。

まずは江崎グリコの様に、身近な所から木材の普及を進める事を業界総動員して厭わずに行うべきではないのでしょうか?ひいてはそれが、木造の住宅やインテリアの普及といった大きな果実に繋がる様な気がするのですから。そして、我々も現在進行形の「Kizmプロジェクト」を通じて、これまで以上に「木育」を進めていきたいと考えております。

◇A弘◇