アガチス通信 vol.16

本気!! アガチス!!!


アガチス通信の時間です。

これまで15回もお送りしてきたアガチス通信。このブログを訪れてくださる方なら、名前くらいは聞いたことがおありかと思いますが、アガチス通信では、毎回、滝口木材の基幹商品、東南アジア原産の「アガチス」という木についてレポートをしています。今日は、アガチスの持つ魅力に最大限に迫る特別企画。「本気!! アガチス!!!」をお送りします。




福島県浜通りの中部に位置する浪江町
そこに、アガチスと本気で向き合っている木工所があります。



木工職人が作る家を提供している奥山木工です。

奥山木工の最大の特徴は、なんと言っても職人のこだわり。施工だけでなく、材料のほぼ全てを自社で一括して制作管理しているんです。建具や造作材、家具など、職人が携わるのは多種多様。職人たちが守り抜いてきた技術を伝えたい。そして、本物の職人の技を日々の暮らしに役立てて欲しい。そんな思いが、奥山木工を育ててきました。

しかし、驚くのはそれだけではありません。洋室の造作材や建具については、ほぼアガチス一本で施工しているのです。もちろん、そのアガチスは滝口木材が厳選した東南アジア原産のアガチス。私たちが取り扱っている木材の板が、こうして姿を変えていたのです。

※しかも和室の造作についてはなんと、オール檜!!! 和室のこだわりもすごいですよね。



この日は、滝口木材の取引先でもある丹木材(いわき市)さん、阿久津材木店(浪江町)さんの協力で、奥山木工の工場の中をのぞかせていただきました。まず感じたのが、何と言っても「アガチスだらけ」であること。これほどアガチスに囲まれた工場を私は見たことがありません。



職人の技術が、アガチスに新しい命を吹き込む。既製品にはない温もりは、手作業のたまものだ。



塗装とも相性抜群。和室・洋室にもなじむノーブルな佇まいもアガチスの特徴。



襖の枠。こうしたところまで徹底してアガチス一筋。完成した住宅の色の統一感が出るのだ。



制作にあたるのは、皆さんそれぞれが木工一筋で生きてきた職人。流石、アガチスのことを、欠点も含めて知りぬいています。だからこそ、眼に見える部分、見えない部分、それぞれの部位に無駄なくふさわしい材を使うことができるのです。

「いいものを創りたい」

それは、職人の皆さんに共通する思いでした。ですから、滝口木材が仕入れるアガチスの材についても、かなりの厳しい声も上がりました。しかし、厳しい声は本気でアガチスに向き合っているからに他なりません。奥山木工の職人さんたちも、アガチスはいい木だからこそ取扱って頂いているのです。その気持ちに、私たちが応えなければいけません。



左側が生のアガチス。右側が表面を薄く削ったアガチス。表面を削ると、金色に輝くのがアガチスの特徴



アガチスで作られた扉。金色に輝く独特の光沢は時を経るごとに色が深まっていく



奥山木工は創業以来アガチス一筋。

多くの職人さんに言って頂いたのは、アガチスは加工性がいいこと。そして、磨き上げたときの独特の光沢がすばらしいこと。使えば使うほど色の変化が出てきて味わい深くなること。無垢の材で、これだけの幅を取れる木材がすでにないこと。

そして、そんな木材だからこそ「アガチスに代わる木はない」
奥山社長はそう断言してくれました。



私たちが伝えたかったアガチスの魅力を、こんな素晴らしい住宅を建てる職人さんたちみんながわかっていてくれた。そのことが、アガチスを取扱う私たちに大きな勇気を与えてくれました。そして、これほどまでにアガチスにこだわってくれている職人さんたちを守っていくのも私たちの責務ではないか。そんなことを感じました。

「需要がない。モノが売れない」ではなく、「需要を作る努力をしていない。モノを売るための努力をしていない」だけだったのではないか。現に、奥山木工は福島県の沿岸部を中心にかなりの施工実績を上げ、特に若い世代を中心にかなりの支持を集めています。


住宅業界はどん底です。しかし、勝ち目はある。

奥山木工の工場を見学し、その思いを再確認することができました。


もちろん、アガチスを取扱っている会社は、奥山木工だけでなく全国に散らばっていることでしょう。そのすべてを知ることはできないかもしれませんが、日本でアガチスを輸入しているほぼ唯一の会社である以上、誰よりもアガチスに本気にならなければならない。そう思います。「チームアガチス」のリーダーとして、、

これからも、ますます本気!!!! アガチス!!!

この気持ちを忘れずに走り続けていきます。


(K松)