アガチス通信vol.22  「スラバヤ現地レポ2010 その6〜学校教材用材が出来るまで〜」

Selamat Sian!

K平です。


今回は滝口木材が作っている加工品の中で、F/JLに次ぐ生産量を誇る「学校教材」ができるまでについてレポートしていきたいと思います。



「学校教材」。
小学校の卒業記念で作ったオルゴール箱や
中学校の技術の授業で作った写真立てや本棚。
懐かしいですねぇ。
皆さんは今でも大切にお持ちですか?


そう。実はそれらの部材、大概はアガチスです!!!



私たちが子供のころは、1枚板(接着剤を使っていない板)が当たり前でしたが
今では3枚・4枚の板を横はぎした板が主流になってきています。
この形状をS/LB(ソリッド・ラミネートボード)といいます。
SL/Bが主流になった理由は、F/JL同様幅が狭い板を接いでいくため作る側の歩留まりが上がる、単価が安いなどです。
しかし、この横はぎ材も年々品質が向上していて出来栄えは1枚板と全く遜色ありません。



では、早速写真を交えながら説明していきます(写真が準備できていない工程は後日更新しますのであしからず・・・)。
ちなみに仕上がり寸法は厚み12ミリ×幅210ミリ×長さ1210ミリがメインです!



(1)原板を厚みで2枚割り


厚み36ミリ×幅60ミリ(長さ1300mm)の部材をモルダー機で厚み16.5ミリ×幅55ミリに2枚割りします



(2)検品・色合わせ

実はこの工程が最も重要で完成した板の出来栄えを左右します!



(3)横はぎするために接着剤塗布



(4)プレス機にて横はぎ

幅55ミリの板を4枚はぎにして220ミリ幅にします



(5)正確な幅出し


モルダー機で幅を220ミリから210ミリにします



(6)正確な長さ出し
ダブルエン機で長さを1300ミリから1210ミリにします



(7)正確な厚み出し

再度モルダー機で厚みを16.5ミリから12ミリにして出来上がり
横に4枚はぎになっているのわかりますか???



(8)検品
接着不良(剥離)などがないか最終チェックです



(9)箱詰め

段ボール1ケース12枚ずつ詰めます



(10)バンドリング

ビニールバンドでバンドリングして出来上がり!



F/JL同様、非常に手間がかかっています。。。



それにしても、教材にアガチスが使われている事などほとんどの人は知らないでしょうね。
恥ずかしながら、私でさえ滝口木材に入るまで知りませんでした・・・



今改めて思うことは、教材の作り方や工具の使い方はさることながら、使われている木の事、その木がどこで取れて、自分たちの手に届くまでにどれだけの人たちの手を渡ってきたかなど、学校の先生たちには「木」にまつわる最低限の知識ぐらいは子供たちに教えて欲しいものです。
子供たちが普段から木と触れ合うことができる環境にないことはもちろんですが、学校教育の中で「木」の事を学ぶ機会がほとんど無いことも木材離れに繋がっている理由の1つかもしれません・・・(だからこそのKIZM活動なんです!!!)




おまけ

左 当社の事務を一任しているAsin(アシン)さん
右 アガチスプロジェクトの要Mujiono(ムジオノ)さん


下の写真はムジオノさんがアガチスの端材で作ったウッドケースで、中にはモルダー機で使う刃物がしまってあります。
木は塗装の色や方法で見え方がかなり変わりますが、アガチスのノーブル感にはクリアー塗装がピッタリ。。。
アガチスは学校教材に限らずDIY用としての需要もあり、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。
ホームセンター等に行かれる際は是非木材コーナーに足を運んで、アガチスを手にとって見てくださいね!!!


■K平■