アガチス通信vol.28〜CHANGE!〜

K平です。


さて、今回のスラバヤ出張の目的は「現地における物づくり体制の見直し」でした。このブログ上でもたびたび触れてきましたが、今、世の中はとてつもないスピードで変化を続けています。情報化社会が発達し、社会構造がよりグローバル化する中で、「木材」という資源も中国やインドをはじめとした発展途上国での需要が格段にに増え、先進国との間では「木材獲得戦争」が始まっています。加えて、環境問題も相まって、天然林伐採に関しての規制は年々厳しさを増し、素材の出材そのものが減る中での競争のため、その激しさは熾烈を極めています。



 

<インドネシアから主に中国に輸出されるメルバオの丸太。主な用途はフローリング>





一方で日本のマーケットに目を向けてみると、政治の不安定、国の借金の増加、行き過ぎた円高少子高齢化など暗い話題に包まれ以前として低迷を続けていて、私たち木材業界の景気指標の1つである新設住宅着工数も伸び悩んでいます。またこのような情勢を背景としてデフレが一段と進み、物価は下がり続けています。木材業界も例外ではなく、世界的な動きに相反して、安売り・投げ売りが頻繁に行われ、しいては価格面で有利な新建材への切り替わりもどんどん進んでいます。




<ゴムの木の丸太と製材品。植林木で用途は多彩>





現地価格は右肩上がりの一方で、国内では下げるのが当たり前といった状況のため、どちらかが歩み寄らない限り双方の温度差は広がる一方でしょう。加えて、途上国では木材に対して日本ほど厳しいクオリティーを求めておらず、しかも日本より高く買うという状況であるため、産出国が日本マーケットを軽視するという状況に拍車がかかることも容易に想像がつきます。ですから、今後材の確保という意味で日本のマーケットは相当苦戦することが予想されます・・・(現地に赴くとより強い危機感を覚えます。。。)




年々減り続ける木材需要、特に住宅に使われる建築用部材としての需要減少は著しく、このまま行けば私たちも間違いなく時代の波に飲み込まれてしまう。かといって、「この現状を打破しなくては!」と片意地を張るのではなく、この現状を真正面から受け止め、時代の流れに臨機応変に対応できる柔軟性を持つことこそが今必要なのです!今、材木屋に求められるのは「変化」です。しかもドラスティックな変化。。。そういった意味では、今回の「物づくり体制の見直し=時代に合った商品の生産」は私たちにとって、間違いなく大きな転機になると思いますし、この変化が同業材木屋への良い刺激になれば・・・




前置きが長くなりましたが、今回の出張で改めて確信した事。
それは「私たちが向かうべき確かな方向性」。
その確かな道へと進む上で「変化」が求められるわけです!
具体的に言うと・・・



(1)加工性を高めた付加価値の創造
(2)建築用材にとらわれない幅広い用途の拡大
(3)インドネシアにおける環境に配慮したアイテムの開発
(4)他国におけるマーケットの開拓


<付加価値を高めたアガチスの学校教材用の板、ホームセンタ向けDIY>




これからの時代、「他には真似の出来ない独自性=ニッチ」を追求しなければ、われわれ日本の、それも片田舎の中小企業に世界を相手に生きていくだけの道は残されていません!誰にでも扱える商品で、ただ単に価格競争をすることは、結果として自分の首を絞めることぐらいみんな分かっています。であるならば、「少量でも木材が好きで本当にその価値を認めて正当な評価をしてもらえる人にだけ使ってもらえればよい」というぐらいの割り切りも時には必要なのかもしれません。 




木材業界を問わず、木が大好きな人は仲間です!
こんな厳しい時代だからこそ、みんなで手を取り合い
「チームJAPAN」
で世界に立ち向かわなければ・・・
そう強く感じています。。。




ということで、今回の物づくりでは上記(1)加工性を高めた付加価値の創造と(2)建築用材にとらわれない幅広い用途の拡大の2点を軸に進められました。具体的な内容は次回にしますが、これが正に時代に合ったやり方であり、私たち滝口木材の変化なのです!自分で言うのもなんですが、今後の滝口木材に大いにご期待あれ!!!




<おまけ>

    

工場で共に汗を流す仲間たち。過酷な環境にもかかわらず楽しそうに仕事をしているように見えました。。。つらい時こそ「笑顔」かぁ・・・



■K平■