タクローさんの講演会

Aです。
最近何かとバタバタしており、ブログ更新がなかなか出来ずに大変申し訳ございませんでした。今日の話題は、先日、お付き合いを頂いている某大手商社主催の勉強会でのこと。その中で“タクロー”こと経済学者の森永卓郎氏による講演会が開かれたので、私も参加してきました。

演題は「これからの日本経済と企業経営」。それについて、ちょっと振り返ってみたいと思います。(黄色枠内が森永氏の意見、「⇒」以降は私の所感です)


1、日本経済についての見通し

民主党による政策は、中長期的には経済効果を発揮するものの、目先数ヶ月の間は補正予算の規模が小さすぎるため、息切れを起こし、2番底に陥る恐れがある。また、日銀の追加金融緩和政策についても規模が小さすぎるうえに円高環境が整ってしまっている。
日銀がつい先日まで金融引き締め政策を継続していたため、市中に流通する円が対ドル/ユーロに比べ少なすぎる。また、欧米諸国の景気回復が遅れている上に、ついには新興国の象徴と言われた中東・ドバイまでもが金融不安に巻き込まれてしまったため、消去法的に円が買われやすい状況に。円高傾向がますます強くなり、実体経済に悪影響を及ぼす。

⇒まぁ経済学者の肩書きを持ってるだけに一応、まともな意見だと思います。(余談ですが、日銀の白川総裁は当初追加金融緩和政策には消極的で、政府からの強力な要請を受け、ようやく重い腰を上げたということです。また、かなり頑固な性格らしく、自ら積極的に市場介入はしないというのが持論のようですから、彼の任期が残るあと3年間は円高傾向が続くのではないでしょうか)

スーパーモーニングで使用したフリップを使って)基本的にマネーサプライを増やせば、株価は上昇する。今のデフレ退治には少しは役に立つだろう。

⇒ちょっと、論理が極端になってきていないですか? 風向きが怪しくなってきたかも。

今後の見通しについては、過去の歴史、信長・秀吉・家康の時代を紐解いてみると良い。
信長→楽市・楽座制度、お金で兵隊を雇う傭兵制、能力主義などの行政はいわゆる「新自由主義経済」そのものだ。
秀吉→天下は統一したものの朝鮮出兵に失敗。これは投機ファンドの資金が行き場を失くした現在の状況に酷似している。
家康→家康は苦難の末に江戸幕府を成立させたが、3代将軍家光の時点でやっと天下泰平の礎が築かれた。
ということで、3年後の日本は天下泰平に向けて良くなっていく!! がっはっは・・・。

⇒おいおい、ちょっと乱暴過ぎないか? 大体、江戸時代に倣うなら鎖国しなきゃいけないだろ。ありえないよ。一番大事な今後の展望なのに、こんな話でまとめちゃうなんて・・・。視聴率を稼ぐために面白おかしく発言するテレビの感じそのまんまだな。



2、企業経営について
さぁどんな風に講演を振り返ろうかと思案していましたが、ITmediaエグゼクティブに、今回の講演会とほとんど同じ内容のコラムを見つけましたのでご参照下さい。ということは、今回の講演会はこのコラムに、ちょっとつけたしただけ???

[:W300]

⇒(1)職場を明るくすること、(2)現場への権限委譲/若者の感性を大事にする、(3)付加価値商品の開発を怠らないこと(タクロー曰く「例えば中国などは、工場のワーカーの平均賃金は年収24万円だそうです。月収じゃないですよ。年収!! これではそもそも労働集約・大量生産型の商品は中国に勝てっこないですよ!」)ってことはうなずける。でも、この10ヶ月で経済状況がこれだけ変わったというのに、もう少しタイムリーな中身はなかったのでしょうか・・・。少しは内容を進化させて話せよ!! 高い講演料取ってんだからさ!!



あともう一つ鼻白むことがあって、この講演会終了後にいわきへ飛んでほぼ同じ演題で講演してるんです。
[:H240]
左が今回私が参加した勉強会の講演資料。右が・・・いわきで行われた講演のフライヤー。タクロー、テレビではうだうだサラリーマンを応援するようなこと言っているくせに、自分はちゃっかり金儲けかいな。ほんと白けるわ。(まあ、みんな同じ事を思っていると思いますけど) 

私の中では、為になった3割、くだらない話7割、といったところでしょうか。テレビで磨き上げられた巧みな話術には乗せられてしまいましたが、もっと建設的な講演を期待していただけに・・・、ちょっと消化不良です。長々とした文章にお付き合い頂き、有難うございました。
■A■