アガチス通信 vol.9 「スラバヤ現地レポート最終回」


K平です。

今頃日本はクリスマスモード一色でしょうか? こちらでは一部の華僑クリスチャンの方々が盛り上がっている程度で、しかも連日の猛暑が重なって全くクリスマスらしさを感じません(泣)。やはりクリスマスには、「雪が降ってサンタクロースがトナカイに乗ってやってくる」雰囲気が一番しっくりきますね。半そで短パンのサンタさんやペットボトルで作られたツリー(写真・上)はちょっと・・・。


それでは最新のアガチス情報をお伝えします。検品もいよいよ大詰めとなりました。P1-1の製品約300㎥のうち、50㎥を残すのみとなりました。船積みのスケジュールは12月25日に5コンテナ12月28日に4コンテナを予定しています。早いものは1月10日ごろから順次入港する予定です。

また、P1-2の製品約300㎥も早いものは来週前半にKDを出て、順次リッピング〜クロスカットの工程へ進む予定です。検品がある程度まとまり次第、1月8日頃から検品をスタートし、1月15日頃からの出荷開始を想定しています。なお、当初このP1-2のロット迄を全量検品して帰国する予定でしたが、若干の工程の遅れと現地工場の年末年始休暇を加味すると、作業がハンパになってしまう事が予想され、予定を早め12月30日に帰国することになりました。

年明けからは、自分で仕立ててきたモノを売ることに専念致します。お客さまからどう評価して頂けるか、ハラハラドキドキですが、ちょっと楽しみです!!

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先週から夕方になると必ずといっていい程雨が降ります。しかも大雨。先日も仕事を終えて工場からホテルに向かう車中で大雨に見舞われました。こちらの人達は天気に関係なく、車の停車中に色々な物を売り込みに来ます。水、ジュース、お菓子にピーナッツ、帽子に新聞に、中には自分でウクレレを弾いてお金を稼ぐ人もいます。

それはそれで見慣れた風景だったのですが、その日に出会ったのは大雨の中物乞いをして歩く子供達の姿でした。自発的なのか、親に命じられての事なのか知る由もありませんが、理由はどうであれ、その姿を見て胸が痛くなりました。寂しさ、空(虚)しさというか、とても複雑な心境でした。


ちょうどこの一週間くらい前に、NHKで食品ロスに関する番組を見ていました。インドネシアにはまともに飯を食えない人が沢山いて、世界全体では、飢えで亡くなる人が数秒に1人もいるのだということでした。ところが、この状況に相反して、日本では食品ロス(まだ食べる事が出来る物を廃棄して処分する事)がかなり増大しているそうです。私たち日本人は一体どれだけ平和ボケしてしまったのでしょうか。

こちらで生活していると、日本での生活がどれだけ恵まれているかを改めて感じます。だから、当たり前のように水が飲めて、食べたい時に食べられるという当たり前の事に感謝する気持ちを持つ事が出来ます。下の世界を見たらキリがないかもしれません。でもそういう世界があるという事実は絶対に認識しておく事があると思います。そうするだけで、日常の生活がもっともっと感謝にあふれた素晴らしいものになるからです。


裕福である事自体は悪い事だとは思いません。しかし、行き過ぎた裕福は人間をダメにすると思います。当たり前の暮らしが他人から見たら決して当たり前ではないのだという事を自覚出来れば、食品ロスなんていう一種の贅沢病とは無縁で済むはずです。

このNHKの番組によると、さらにこの食品ロスに追い討ちを掛ける様な事が、今の教育の現場で起きているそうです。なんと、今の小学校では、嫌いな給食は返させて、好きな物だけを食べさせているところもあるのだそうです!! これが事実なら日本の教育はもうおしまいです。先生、食べる事が出来る事への感謝、作ってくれた人に対する感謝の気持ちは、どうやって教えるんですか??


もし本気で教えるなら、現地での生の姿を見せるのが一番手っ取り早いと思います。自分と同じ年くらいの子供たちが大雨の中物乞いをしている姿を見て、何も感じない子供はいないでしょう。大人も一緒です。もちろんそんな教育方法は現実的ではありませんが、せめて、そういう光景を眼にした私は、家族や周りの人たちに伝えていかなければと思いました。

私は、彼らに対して何かをしてあげる事は出来ませんでした。しかし、そこから自分がいかに恵まれているかを自覚し、感謝すると言う事を再認識する事は出来ました。だから、この認識をこの様な場所で発信していき、周りの意識が少しずつ変わっていけば、それが彼ら子供達へのほんの少しかもしれませんが、手助けになると信じています。


今回のレポートでスラバヤからの発信は最後になります。つたない内容にお付き合い頂きまして、有難うございました。仕事が最優先でしたので伝えきれなかった事も多々ありますが、この仕事をしている限り、来年もこのスラバヤには帰ってきますので、また色々な情報を発信出来ればと考えています。勿論、日本に帰国後も、今度は日本での様々な出来事をこのブログ上で発信していきたいと思っています。引き続き、2010年も宜しくお願い致します。

では最後に遠くスラバヤの地から愛を込めて。
Merry Christmas & A Happy New Year!!
■K平■