幻のオールアガチス住宅へ

家の造作や建具がすべてアガチスで作られた家がある。


そう聞いて、福島県浪江町(有)奥山木工を訪ねたのは今年の7月のこと。
残念ながら、前回は見学出来そうな家がまだなく、工房を見学させてもらっただけでした。


しかし今回、住宅の内覧会があるということで、
ついに、完成した住宅を見学させてもらうことに・・・・。
そこで私が見たものは、創造をはるかに超える、アガチスと住宅建築の融合だったのです。




南相馬市小高区に建設されたM様邸。延べ床面積80坪の大豪邸



アガチスの下駄箱が上品にしつらえられた玄関



職人が一枚一枚手作業で作る腰板が、やわらかく光を照り返す



和モダンな空間が広がる14帖の居間。アガチスの腰板が美しく映える




廊下にもアガチスの腰板が。扉ももちろんアガチス。使い込むほど美しい飴色へと変化する



広々としたトイレにもアガチスを使用。やさしい色が清潔感と癒しを演出



10帖の洋室。グレーの壁紙とのコントラストが美しい




っと、写真で見せられるのはここまで。


家の中のドアや引き戸はほぼすべてアガチス製。
それだけではなく、腰板や壁板、ドアや扉の枠の部分などといった部分にまで
贅沢に、そしてふんだんにアガチスが使われていました。

フローリングは「チーク」ということでしたが、
家全体の落ち着いた雰囲気は、同じ東南アジアの材だから可能になったのでしょうか。
統一感があり、ノーブルなオシャレ空間を演出していました。



そして何より贅沢なのが、扉もドアの枠も引き戸も腰板も
すべて奥山木工の職人さんが手作りでこしらえたものだということです。

既製品と手作りの違いは、なんといっても、20年後、30年後の表情がまったく違うということ。
わかりやすくいえば、既製品は古ぼけ、手作りは味わい深くなる。
一つひとつの工程にとてつもない労力とアイデアを注ぎ込んでいるからこそ、
その技や志が宿り続けのです。
既製品には、絶対に不可能だと言っていいでしょう。



あぁ、写真と文章では、あの感動が伝えきれない。
今月の10日、11日には、このM様邸において住宅内覧会が行われるので、
お近くにお住まいの方、そしてアガチスを扱う問屋のみなさま、木工所のみなさま、
ぜひ、このオールアガチス住宅をご覧になって下さい。


感動します。
僕が保証します。



K松