more treesを知っていますか?
more trees(モア・トゥリーズ)とは、音楽家の坂本龍一さんが代表を務める「木材利用をすすめるための」団体です。地球規模で森林の破壊がすすみ、人類の文明そのものが危機に瀕しているいま、さまざまな分野のトップたちが手を結び、森を守ろう、もっと木を、というメッセージを発し続けています。
これまで、環境問題や国際平和活動にコミットしてきた教授が、植林・森づくりによってCO2の吸収源としての森の再生をはかりながら、人類と文明を絶望的な危機から救わなくてはならないと感じ、2007年にmore treesを設立。教授以外にも細野晴臣さん、高橋幸宏さん、中沢新一さん、桑原茂一さんが発起人として名を連ねています。
日本各地にmore treesの森をつくり、間伐材の有効利用を図っているほか、マングローブの森や熱帯林の保全など、文字通り世界の森を守る活動をしています。また、カーボンオフセットなども有効活用し、二酸化炭素の排出量を減らす活動にもかなり力を入れています。
とここまで言うと、林業や木材業界にいる人たちからすれば、「もともとそんなことはやっていたよ」と言う人もいることでしょう。「有名人がちょいちょいっとやって終わりだろう?」なんて怪訝な顔をする人もいるでしょう。
でも、今、ユーザーが求めているのは、このmore treesのようなアプローチなんです。世間から「セレブ」と呼ばれるような人たちが、地球環境の保全や森林保護を謳う時代です。「地球を守る」ことは、ファッションや音楽、カルチャーと密接に結びつき、ライフスタイルとなっているわけです。
more treesの考えに賛同したサポーターを見て下さい。
●天野祐吉(コラムニスト)
●荒川眞一郎(ファッションデザイナー)
●飯野賢治(ゲームクリエイター)
●yvan(イラストレーター)
●石上純也(建築家)
●石川直樹(冒険家/写真家)
●伊勢谷友介(俳優/映画監督)
●内田也哉子(文筆家)
●エイジアエンジニア(ヒップホップグループ)
●大貫妙子(音楽家)
●岡田浩暉(俳優)
●岡本真夜(シンガーソングライター)
●KIKI(モデル/女優)
●菊地敦己(アートディレクター)
●christian fennesz(musician)
●小林武史(音楽プロデューサー)
●サエキけんぞう(アーティスト/プロューサー)
●櫻井和寿(音楽家)
●ショーン・レノン(ミュージシャン/プロデューサー)
●しりあがり寿(漫画家)
●shing02(音楽家)
●信藤三雄(アートディレクター)
●高城剛(映像作家/DJ)
●田中泯(舞踊家)
●谷口恭子(編集者)
●谷崎テトラ(構成作家/音楽家)
●田村淳(ロンドンブーツ1号2号)
●中田英寿(FIFA親善大使)
●並木豊明(ロイド代表/メガネディレクター)
●成宮寛貴(俳優)
●新田桂一(写真家)
●信國太志(ファッションデザイナー)
●野村浩司(写真家)
●元ちとせ(歌手)
●平間至(フォトグラファー)
●深澤直人(プロダクトデザイナー)
●藤田志穂(シホ有限会社G-Revo代表)
●Monday Michiru(音楽家)
●村上龍(作家)
●森本千絵(アートディレクター)
●リリー・フランキー(作家/イラストレーター)
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実際には、もっともっといるのですが、この中で皆さん(特に材木業界の方)は、何人の人を知っているでしょうか。more treesに賛同している人は、世間で「アーティスト」や「クリエイター」と呼ばれている人がほとんどです。彼らは、さまざまな人に影響を与え、また多くの若者から目標とされる「インフルエンサー」でもあります。そういう人たちが行き着いた場所が、私たちの主戦場である「森」なんです。すごいことです。
彼らは特に有名人というわけではない。この中で超有名人なのは、中田と一部の芸能人くらいものでしょう。ところが、今は「クリエイター」が世論を動かす時代。彼らが一度何かのアイテムをブログやTwitterでつぶやけば、大きくカルチャーが動くんです。その鍵は、「創造性」や「クリエイティビティ」があるかどうか。もっと簡単に言えば、「かっこいいものを自らが生み出しているかどうか」。
若者たちが山や木材に求めるイメージと、現在の木材業界のイメージはかけ離れすぎている。僕はそう感じています。いまだに「住む人の 心に染みる 木の香り」だなんていう時代錯誤のキャッチコピーをありがたがっていても、若い人はついてきません。芸能人がちょいちょいやりやがって、と思うのなら、「あぁ、やっぱり材木業界の人ってすごいな、かっこいいな」と思われるようなアプローチをしなくちゃいけません。
僕は何もみんなオシャレになれ、といいたいわけじゃなく、セレブたちが、「森に携わること」のイメージを変えてくれている今の現状に乗っかってみることも大事なんじゃないか、ということです。それがうまくいけば、「森や木に詳しく、自分の生活にかっこよく自然のものを取り入れられる木材業者ってかっこいいな」という空気を醸成することができるかもしれません。
だって、上にあげたような錚々たるアーティストたちが“有難がる”ものを、僕たちは常に手にしてるわけですから。木材業界って、かっこいいし、もともとすごくクリエイティブなんです。ただ、そのすごさを、若者たちに伝わるようには伝えられてこなかったのでしょう。
“ハヤリモノ”を必死に追う必要はありませんが、若者が今、森や木に何を求めているのかを知ることで、あなたの会社のホームページや広告手法、名刺のデザイン、会社のロゴ、制服、そして日々の言動やブログ・・・・要は、「会社を取り巻くいろいろなところ」に変化が生まれるはずです。
その変化は、決して好ましくないものではないと思うのですが、皆さんはどう思いますか?
K松