アガチス通信vol.47 〜台湾編〜

インドネシアから帰国後は、日本全国を行脚中のK平です。。。



ブログや日々の営業活動を通して、アガチスに関しての悪戦苦闘ぶりはすでにご承知の事と思いますが、インドネシア・マレーシアとも日々わずかながらも前進しているのは確かです。マレーシアではすでに工場に丸太が入荷(約800㎥)、昨日から製材が始まっており11月中旬頃の船積みが見えてきましたし、インドネシアもポソの材が今月末スラバヤ入港(約1,500㎥)が現実味を帯びてきました!まだまだ浮かれてはいられませんが(今まで何度も裏切られてきましたから・・・)、1日も早く良材のアガチスがお届けできるようにフォローを続けていきたいと思います。



さて、つい2週間前の事ですが、9月27日から29日までの3日間、アガチスの商談のため台湾に行ってきました。九州を一回り小さくした程度の国土面積(385万ha)の約55%が森林面積で占められる台湾では昔から木材の生産が盛んで、最も有名な台檜(タイヒ/別名タイワンヒノキ)を中心に自国の高級木材を日本を中心に世界にも輸出しています。今では輸入材の取り扱いが大半を占めているものの、木材の文化はしっかりと根付いており、建築・家具・装飾・木工など幅広い用途で木材が使わるほどの木材消費国なのです(アガチスをはじめとする南洋材もドアのパーツや枠材などの建築用を中心に装飾・家具・木工用などで使われています)。


(事務所のドアも、台湾でよく見かける会社名を掘り込んだプレートもアガチス!)




通常マレーシアやインドネシアの原木サプライヤーから直接買い付けをする私たちにとって、今回はマレーシア→台湾というやや珍しいケース(1クッション多い)の引き合いでした。なぜ台湾から?と突っ込まれそうですが、今や台湾は高速鉄道沿線の開発に下支えされた堅調な経済成長を武器に木材業界の中でも存在感を日増しに高めており、南洋材分野でも購買力は日本に全く遜色がないレベルまで成長してきています。まして、木に対して日本ほど厳しい価値観を持ち合わせていない彼らは買うときはスタンダードな条件である程度の量をそれなりの価格で買い付ける。一方、われわれ日本人は品質に対しては非常に細かく、口うるさいにもかかわらず値段も出さない、最近では量もこなせなくなっており、サプライヤー側からは2番手、3番手の存在にしか見られていないというのが現状です。かつて日本の木材業界が築き上げたマーケットリーダーの地位はすでに中国やインドに奪われ、我々の影響力はすっかり鳴りを潜めています・・・


(マレーシアから台湾に輸入されたアガチス丸太)




というわけで、イレギュラーなケースではあるものの、まずは「目先の供給が軌道に乗るまでは産地がどこであろうとなりふり構わずアガチスを買い集める」われわれの姿勢に変わりはなく、粘り強く商談を続けた結果、あくまで1等品(欠点が無い良材のみ)だけ、しかも日本向け未経験という事を理由にトライアルで2コンテナという条件でかろうじて折り合うことが出来ました。生産指導も含め本格的な生産になるにはまだまだ時間を要すると思いますが、原材料の購買力を増している台湾マーケット。今後もアガチス生産の穴場として台湾の動向からは目を離すことはできなさそうです・・・(ちなみに,11月中旬には検品のため再度訪台を予定しております)




(丸太の木口を見ると覗える鮮度の良さ、弊社社長による日本向け製材品の製材方法のレクチャー、台湾国内でのアガチスマーケットを20年以上守り続けてきた製材機)






■K平■