アガチス通信vol.52 タワウレポート5

暑い日が続いておりますタワウよりK松がお伝えします。

現在、1回目の丸太の後半戦の船積みに向けて鋭意生産中です。目下、今月末の東京便船積みに向け、バンドリングを進めているところです。工場のスタッフも、だいぶ日本式のやり方に慣れてきたのか、なかなかに手際よく作業を進められるようになっており、なんとか船積みに間に合う見込みが出てきたところです。




そして、タワウプロジェクト2回目の、新しい丸太が到着しました!! 今回の丸太ですが、総量で700立米。これを新年の第1便にすべく、ここ明日より製材を始める段取りを組んでおります。加工工場と製材工場フル稼働で、なんとか日本の枯渇したマーケットに潤いを与えられればと期待をかけているところです。

気になる品質ですが、タワウ材はやはり平均して木味がきれいです。ハルマヘラのものと比べ若干固さが気になるところですが、アテも少なく、直通の丸太が多いので、非常に素直な製材品が出来上がるのではないかと思います。虫食いなども少なく、歩留まりも多少はいい数字が出そうな感じがいたします。


この丸太、タワウより車で1時間半のところにある山間の町カラバカンの貯木場に貯木されていたもので、製材工場までは、なんと水路を使って運ばれてきました。これでもかという山のように船体に乗せられた丸太が豪快に船降ろしされる様子は、まさに壮観。ほんとうにダイナミックです。



アガチス自体は、カラバカンの貯木場よりさらに数十キロの山中に自生しており、そこで切り出されたアガチスはヘリコプターによって中継地点まで降ろされ、そこからさらにトレーラーに積まれ、カラバカンに届けられたとのこと。工場まではさらに1日間の川下りですから、実に多くの手間ひまがかかっているのです。

日本では、ヘリコプターで丸太を降ろしてくるというのはなかなか見られるものではありませんが、やはり林業を「国の大事な産業」と位置づけているマレーシアだからこそのビジネス展開。ヘリコプターロギングの専門の業者もあるくらいですから、林業は私たちの考える以上に、ダイナミックな産業になっているようです。

また、最近では、天然林のホルダーが木材だけではなくバイオ産業やツーリズムまで手がけているところもあるそうで、森を中心にした公汎的な「グリーンビジネス」が展開されているようです。零細林業家が負担を強いられ、膨大な数の木材業者が「安さ」で競う日本の木材業界も、多いに参考になるような気がします。

それでは、また次回のレポートをお楽しみに。