アガチス通信vol.24  〜歴史の生き証人・アルマシガ〜

K平です。


突然ですが、先日、久しぶりに大きな買い物をしました。
何だと思います???
薄型テレビ?今流行の一眼レフ?それとも車とか???



いえいえ、正解は・・・木材です!
それもオールド・アガチス!




事の始まりは、ちょうど7月の初め頃。弊社取引先の材木屋さんを経由して、同じ福島県浪江町にある阿久津材木店さんからこんな話を頂いたのがきっかけでした・・



「うちに、約30年ぐらい前のアガチスの板があるんだけど興味ないかい?」




正直、最初は「へぇ〜、ずいぶんと物持ちがいいなぁ。」ぐらいにしか考えていませんでしたよ。だって、いくら30年前のアガチスだといっても、この業界のことだからきっと倉庫の中で埃まみれになっていて、「見るも無残な・・・」的なパターンが関の山ですから。。。



ところがところが、現物を見てビックリ!こんなお宝アイテムだったとは・・・
(いらぬ想像をしてしまった事、謝罪いたします。阿久津専務スミマセン。)






私の予想をはるかに上回る材の迫力、そして大事に管理されていた事が一目で分かる材の状態。使う当てなどありもしませんでしたが、2つ返事でお受けいたしました。
これがアガチス屋としてのDNAなのでしょうか???



厚み76mm×幅950mm×長さ5mという規格外の存在感。。。




冷静に考えてみると、幅が95cmもあるということは丸太の時点で直径が少なくても倍はあり、芯などの使えない部分を加味すると軽く径求2mは超える計算になります。今でも直径130〜140cmクラスの丸太はたまに見かけますが、それでも本当に稀です。聞くところによると、昔は2m級の丸太はゴロゴロあったようですから、ベテランの方たちからするとどうって事ないサイズかも知れませんが、少なくとも私が32年生きてきた中でこれだけのスケールの板を見たのは初めてで、それはそれはとてつもない衝撃でした。




購入後、W部長から「2m級の丸太は樹齢300年ぐらいは経っていると思う」という話を聞かされ、余計に想い入れが深くなりました。300年前って日本は江戸時代ですよ。。。また、当時は小名浜港に丸太を直接荷揚げして、いわき市内の製材会社で挽いていたようですが、いわき市でこのクラスの丸太を製材できるような機械を持ち合わせていた会社は2,3社程度しかなく、「恐らくウチで製材したはず(W部長談)」というのにも何か運命的なものを感じます。。。ちなみに、現在は法令が厳しくなりインドネシア及びマレーシア・サバ州からこのクラスの板が入ることはまずありまん。一部マレーシア・サラワク州パプアニューギニアから丸太が入っているようですが、このクラスの丸太は皆無だと思います。





実はこのアガチスの板、厳密に言うと「アルマシガ」というフィリピン原産のアガチスです。




専門的に言うと、アガチスという木はナンヨウスギ科アガチス属に分類され、東南アジアを中心に約20種類が確認されています。国によって呼び方も異なり、例えばインドネシアでは「ダマール」、マレーシア・サラワク州では「ビンダン」、ニュージーランドでは「カウリ」とそれぞれ称されています。




さて、この「アルマシガ」。現在弊社で取り扱っているアガチスと材質的な違いはほとんど無いようですが、しいて言えば色が白っぽいという特徴があるようです。今はまだその美肌を目にすることは出来ませんが、いずれはその美しい白肌をお目にかかれると思うと今からワクワクします。。。


アガチスの詳細⇒⇒⇒https://www.jawic.or.jp/kurashi/wtree/s1-agatisu.htm
(財団法人日本木材総合情報センター参考)




歴史を語ることは容易いことですが、存在1つでその歩んできた生き様を思い起こさせるこの「アルマシガ」。弊社のアガチスの歴史を共に語り継いでいく存在として、当面は大切に大切に守っていこうと思います!そしていずれは自宅のカウンター用として使わせていただき、共に生きていこうと心に誓いました・・・(毎晩アガチスを見ながら晩酌なんぞ出来たら最高の贅沢だな。。。)



PS   
インドネシア・ハルマヘラ島産のアガチス丸太約1200㎥が本日(11月4日)スラバヤに入港いたしました!多少細めの丸太が多いという報告は受けておりますが、鮮度は良好との事ですから今回もかなりいい物が出来ると思います!詳細はブログ上で、随時発信していこうと思います!要CHECK IT OUT!!!


■K平■