赤松製品、黄金時代の終わり

日刊木材新聞6月9日付記事「ワニノ大陸製材工場、韓国企業に売却」

この記事を見て率直な感想としては、まさにタイトルの通りだなあという感じがします。
ワニノ/イギルマ大陸製品といえば、垂木・野縁/胴縁・桟木といった羽柄材の完製品や原板、そして
フローリングや平割といった役物までバラエティに富んだ製品ラインナップを誇り、その荷姿は首都圏であれば15号地や川崎港、さらには地方各港に至るまで、ありとあらゆる場所でお目に掛かる事が出来ました。

しかし、2007年7月1日よりロシア丸太の輸出関税が大幅に引き上げられた事、並びにリーマンショックによる金融不安を発端とした金融機関の林業家への貸し渋りが契機となり、丸太の生産・入荷が大幅に減少、安定した製材運営が立ち行かなくなってしまいました。また、昨年末の大雪の影響により施設設備が損壊したのも売却の要因となった様です。ちなみに製材工場の売却先はロシアの
トップインフラロスという会社だそうです。(見出しで韓国企業と出ていますが、ロシア企業ですね。所在地は韓国・光州ですが…) 同時に工場内の生産設備もロシア企業へ売却する様です。(同一企業へ売却かは不明)

トップ社は製材工場は他社へリースする様で、これから対日向けが増産されるかは極めて不透明であり、個人的な所見としては、高成長を続ける中国国内マーケットにターゲットを向けているものと思われます。いずれにしましても、隆盛を誇ってきた赤松製品にもそろそろ陰りが見られるのかなあといった感じがします。

☆A弘☆