大改造??悲劇的ビフォーアフター

A弘です。

先週10/28発売の週刊文春で衝撃的な記事がありましたので、今日はその事について書いてみたいと思います。タイトルは"「大改造!!劇的ビフォーアフター」が我が家を台無しにした"で、中園尚秋氏(実名)による告発だそうです。


リフォーム現場の情報はコチラをご参照下さい。→ http://asahi.co.jp/beforeafter/list/d00019bazu.php


今回のリフォームで1番問題となっているのは
1.最大段差70cmの段差が解消されていない。
2.リフォーム前よりあらゆる箇所で品質が悪くなっている。(日本建築検査研究所・岩山健一氏調査による)


私が気付いた問題点は以下の通りです。プロの方から見れば稚拙な点かもしれませんが、悪しからずご容赦願います。<問題点>
(1)工事請負契約を締結した際に、各工事項目の内訳明細等がなかった。
(2)打合せの回数が余りにも少ない。
(3)番組コンセプトにおけるショーの要素が強すぎる。


(1)については最早論外であり、開いた口が塞がりません。新築/リフォーム関係なく、契約締結の際は設計図だとか工事の具体的な内訳明細を提出するのは当然な筈です。

(2)についてはリフォーム過程を当人達には内緒にし、完成後に魔法の様に様変わりした我が家へ入り、感動する依頼者家族の姿を映し出すというクライマックスへの布石なのでしょうが、それでも当初の不具合な場所での工事の際や、予算等の関係でどうしても希望に沿えない箇所が出てきた等の施主側に不利となる事態が発生した場合は、綿密な打合せと丁寧な説明が必要なのではないでしょうか?そういった対処がなければ、施主側が激怒するのも無理はないと思います。

(3)については、ショーマンシップの為に施主が犠牲になるのではたまりません。以前「匠」として出演経験のある建築士も「あの番組はショーの要素が強く、施主の希望は通らない」とのコメントを寄せておりました。また、個人的には不要なゲストが多過ぎると思います。番組キャストは極力抑え、逆にその分浮いたギャラを材料代として施主にプレゼントする位の事をアピールしていけば、番組的にも面白いのではないでしょうか?

何にせよ、基本的に施主は番組側を全面的に信頼します。それ故、今回は2千万の高額予算でもローンを組んで賄ったのです。なのにこんな仕打ちをされるのは…詐欺行為以外の何物でもありません。


また、本件以外にもスポニチZAK ZAKにて以前手掛けた物件で瑕疵が見受けられているとの記事が今年3月になって取り上げられております。住宅着工数が低迷を続ける中でも、本番組で取り上げられる様なリフォーム市場は順調に拡大を続けております。そんな中で起こってしまった今回の問題は非常に影響が大きいと思います。

こういった問題は当該番組だけに留まらず、ブラウン管の先の視聴者に対して住宅・建築業界へのより一層の不信を招く事にも繋がり、我々業界にもひとかたならぬ悪い影響を与える事になってしまいます。ですので、番組制作サイドも視聴率至上主義にとらわれずに、安心してリフォームを任せて頂けるような環境作りに寄与出来る様な番組作りを心掛けて欲しいと思います。

☆A弘☆